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  3. ヘルメット脱いだ後の髪型が決まらない…
ボサボサの髪

ヘルメットを脱いだ瞬間の絶望感と向き合う

天気の良い休日に愛車のエストレヤを走らせるのは本当に気持ちが良いものです。風を切って走っているときは、自分もバイクの一部になったような気がして、悩み事なんて全部吹き飛んでしまうような爽快感があります。お気に入りのジャケットを着て、磨き上げたバイクに跨っている自分は、少しだけ強くなれたような気さえします。

でも、そんな魔法が解ける瞬間が必ずやってきます。それは目的地についても、ふらっと立ち寄ったコンビニでも同じです。エンジンを切り、スタンドを立て、グローブを外して、最後にヘルメットを脱ぐその瞬間です。バイクを降りてお店のトイレの鏡を見たとき、そこに映っている自分の姿に愕然としてしまうことが多々あります。さっきまであんなに格好良く走っていたはずなのに、鏡の中の私の前髪は無惨なほどにペチャンコになり、額にはうっすらとヘルメットの内装の跡がついてしまっているのです。

特に湿気の多い日や、少し汗ばむような陽気の日は悲惨です。朝、時間をかけてセットしたふんわりとした前髪は見る影もなく、頭の形に沿って海苔のように張り付いています。フルフェイスのヘルメットは安全のために必要不可欠なものだと頭では分かっていますし、万が一のときに自分の命を守ってくれる大切な相棒です。それでも、この「脱いだ後の残念さ」だけはどうしても好きになれません。バイク女子の皆さんは、いつもSNSでキラキラとした写真をアップしていますが、あの方たちは一体どうやってあのサラサラな髪をキープしているのでしょうか。私だけが、こんなにも重力と湿気に負けているのではないかと、ついネガティブな思考に陥ってしまいます。

試行錯誤の末にたどり着いたごまかし術

もちろん、私もただ嘆いているだけではありません。この「ヘルメットハゲ」とも言える状態をなんとか回避しようと、これまで色々な方法を試してきました。最初に試したのは、ヘルメットを被る前にバンダナや薄手のインナーキャップを仕込むという方法です。ネットの記事で見かけたこの方法は、確かにヘルメットの内装が直接髪に触れないため、汚れ防止や衛生面ではとても効果的でした。しかし、肝心の髪型の崩れに関しては、結局インナーキャップによって押さえつけられてしまうため、根本的な解決にはなりませんでした。むしろ、キャップのゴムの跡が新たに追加されるという悲しい結果に終わることもありました。

次に試したのが、髪を結んでしまうという作戦です。後ろで一つに束ねてしまえば、全体的な崩れは気にならなくなります。しかし、これにも問題がありました。結ぶ位置を少しでも間違えると、ヘルメットの後頭部と干渉してしまい、運転中に地味な痛みが続くのです。低い位置で結べば痛みは回避できますが、ヘルメットを脱いだときにゴムの跡がくっきりとついてしまい、それを解いてもウェーブというよりは単なる寝癖のような状態になってしまいます。

結局のところ、最近の私の最適解は「帽子を持ち歩く」という物理的な解決策に落ち着きつつあります。タンクバッグやリュックの中に、折りたたみのできるキャップや柔らかい素材のバケットハットを常備しておくのです。ヘルメットを脱いだら、髪を直す努力を放棄して、すぐに帽子を被ってしまう。これが一番精神衛生上良いという結論に至りました。ただ、荷物を極力減らしたいツーリングの時などは、この帽子ひとつさえも邪魔に感じてしまうことがあり、まだまだ完全な解決とは言えそうにありません。

見た目よりも大切なものを優先している証拠

こうして髪型のことで悩み、鏡の前でため息をつくたびに思うことがあります。それは、バイクに乗るということは、ある種の「不便さ」を受け入れることなのかもしれないということです。車であれば、エアコンの効いた車内で髪型もメイクも崩れることなく移動できます。雨に濡れることもなければ、夏の日差しにジリジリと焼かれることもありません。それでも私は、わざわざ重たいヘルメットを被り、暑さや寒さに耐えながらエストレヤに乗ることを選んでいます。

髪型が崩れてしまうのは、それだけ安全に配慮して正しくヘルメットを装着している証拠でもあります。緩いヘルメットでは万が一の時に役に立ちませんから、頬がムギュッとなるくらいのフィット感こそが正解なのです。鏡に映るペチャンコの髪型や、少し崩れたメイクを見たとき、「ああ、今日も私はちゃんとバイクに乗ってきたんだな」と、自分自身を認めてあげてもいいのかもしれません。

もちろん、これからも「脱いでも可愛い」を目指して、ドライシャンプーを試してみたり、跡のつきにくいヘアゴムを探したりという涙ぐましい努力は続けていくつもりです。でも、もし理想通りにいかなくても、それを含めてバイクライフなんだと割り切る気持ちも大切にしたいです。綺麗な髪型のまま過ごす休日も素敵ですが、髪を振り乱して風の中を走り抜けた休日のほうが、今の私にとっては数倍価値があるように思えるのです。次にツーリング先で同じように髪型を気にしている女性ライダーを見かけたら、心の中で「お互い大変ですね」とエールを送ろうと思います。そうやって同じ悩みを共有できる仲間が、どこかにいると思えるだけで、この悩みも少しだけ愛おしいものに変わる気がします。