ヤマハ発動機とバイク好きの川島隆太教授が、「二輪車乗車と脳の活性化の関係」を研究してて、バイクはメンタルにもいい影響を与えるってことが分かってるらしい。
川島教授は『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の監修をしてるから、知っている人も多いんじゃないかな。
装置の小型化で計測が可能に
今まで、脳を計測する装置は大きくて据え置きタイプだったから、走っているライダーの脳を測定することはできなかった。でも、最近は持ち運びできる小さな計測装置が発明されて、ヘルメットを被ってても脳のデータを取ることができるようになったとか。
そこで小さな計測装置を使って実験を行い、バイクの運転が脳を活性化させることが明らかになったんだって。
計測時に走るのは勾配、コーナー、ヘアピンといった悪路。運転したのは、中型免許以上を持つ現役のライダー11名と、10年以上のブランクがある元ライダー10名。どちらも平均年齢は45歳くらい。
集めたデータを解析すると、現役ライダーと元ライダーでは脳の使い方がまったく違っていた。
現役ライダーは感覚的に運転できて、元ライダーは注意深く運転するんだろうな…と思いがちだけど、この実験では真逆の結果が出たらしい。
つまり、日常的にバイクに乗る現役ライダーは情報を処理しながら注意深く運転していて、元ライダーは直感でバイクを運転してるというわけだ。慣れたからといって直感で走れるほど安定した乗り物じゃないし当然か。
ちなみに自動車やスクーターではあまり影響はないんだってさ。
実験は悪路で行われたらしいけど、複雑で不安定なバイク操縦をしながらそんな道を走るんだったらなおさら、集中力がないと走ってられないよね。
日常生活にもいい影響がある
走っているときの実験だけじゃなくて、その後には「自動二輪運転の生活習慣が脳機能に与える影響」を調べる実験が行なわれてる。
10年以上まともに走っていない元ライダーに、2ヶ月だけ日常的にバイクを使ってもらった結果、バイクを日常的に使うと認知機能が向上しているというデータが取れたんだって。
実際、実験に参加した元ライダーも、「体調がよくなった」「ミスが減った」「仕事の悩みが減った」といった体感があったらしい。
バイクはメンタルにいい……うーん、そう言われてみれば、心療内科や精神科へ通院するのに車やスクーターを使う人はいるけど、二輪のバイクに乗って来る人って見たことないんだよなあ。
不安定な状態で乗るには危険な乗り物だから、自重しているだけかもしれないけど。
とにかく、バイクに乗ると認知機能も上がってポジティブになりやすいのは確からしい。私がバイクに病みつきになったのも、そこそこメンタルが回復してきたときにバイクの楽しさに触れたからかもしれない……。