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  3. 古いバイクが持つ魅力
バイクのエンジン部分の画像

オールドスクールのバイクには底知れない魅力が眠っている。

古いバイクは手間がかかって面倒だ。ライダーの気を引こうとするかのようにいつもどこかしら調子が悪いし、売ろうとすればなぜかますます調子が悪くなる。バイクは古くなるほどメンヘラっぽさが増してくる。

でも、バイク好きにとってはちょっと面倒なバイクのほうが嬉しかったりもするのだ。

自分で直せるから、楽しい

現行車は複雑な構造で電子構造が搭載されていることも多く、専門的な知識がないと整備をするのも難しい。お店で直してもらえばきれいに直って帰ってくるけど、この手で直そうとすると相当な知識が必要になってくる。

一方、古いバイクは構造が比較的簡単で、自分で整備できる範囲が広い。

派手にぶっ壊れるのではなくて、ライダーが直せるギリギリのところで不調が現れる。バイクが意図してギリギリのところを攻めている、とはさすがに思わないけど、「この子は構ってほしくて壊れているのかもしれない……」と思ってしまうくらいにギリギリ直せるところで壊れるのはなぜだろう。

と言っても、国産車だとパーツが見つからないか高価なこともあって、泣く泣く諦めることもあるんだけど。

手がかかるほど、愛おしい

現行車は制御がしやすくて壊れにくい。もし壊れても、パーツが手に入りやすいから直しやすいし、メンテナンスさえちゃんとしておけば素直に走ってくれる優等生だ。

古いバイクは、運もあるけどどうしても壊れやすい。直しても別のところが壊れ、さらに別のところが壊れ……そんないたちごっこを続けるハメになる。

ライダーのほうも自分で手をかけるから愛着が湧いてどんどん直す。走らせてはメンテをする。それでも古いバイクは完全には直らない。

手をかけるうちに、ライダーはこう思うようになる。「他の人ならこうはいかない、このマシンを直せるのも操れるのも自分だけだ……」そんな快感が、ライダーとバイクに共依存の関係を生む。

人間関係の共依存はいずれメンタルを壊すほどのデメリットに繋がる。でも、バイクはライダーに乗ってもらわないと走ることができないし、もともと人に依存するよう設計されているのだ。それなら、バイクと共依存するほうがよっぽど安全で心地いい。 人間なら二股をかけるのは許さない!って人のほうが多いけど、バイクなら気兼ねなく2台持ちできるし。

同じバイクとはいえ、旧車と現行車が持つ魅力がほとんど別物なのは間違いない。もし余裕があれば、ぜひ新しいバイクと古いバイク、どちらも持ってみてバイクの魅力にどっぷり浸りたいなと思う。